Soup for all!

大切な人に届けたいスープ

Soup Stock Totyoがこれまで開発してきたスープの数は、200種類以上。正確にその数は数え切れないほど、たくさんのスープを作ってきました。素材や味、スープが生まれた背景やストーリーはさまざまですが、そうした数々のスープに共通するのは「大切な人に届けたいスープ」ということでした。

11月25日(月)から全国の店舗で「麹味噌とがんもどきの和風スープ」の販売が始まります。今回、商品開発にご協力いただいたのは、料理家の川上ミホさんです。川上さんがご家族との日々の生活から感じる“想い”がブランドの姿勢と重なり、今回ご一緒することになりました。


秋が深まるある日、このスープに込められた想いを聞かせてもらうため、私たちは中目黒の静かな住宅地に佇む川上さんのアトリエに向かいました。

—「川上さんと一緒にスープを作りたいんです」とご相談して1年と少し。いよいよスープが店に並びますね。

川上さん:とても嬉しいです。お話をいただいて、私自身も家族もSoup Stock Tokyoにお世話になっているので、純粋に嬉しかったです。
創業者の遠山さんがSoup Stock Tokyoをはじめられたのが、ご自身やご家族のアレルギーだったのもきっかけのひとつと以前伺いました。私には3歳の娘がいて、彼女も複数の食物アレルギーを持っています。外食もみんなで集まって食べる雰囲気も大好きですが、娘も食べられるものをと考えると、お店選びのハードルはやっぱりあります。
安全のために「これは何が入ってますか?」とすべてを確認していくのは私自身も大変だし、一緒に食事をする相手にも気をつかわせてしまう。お店ごとに食物アレルギーを持つ人への対応の仕方もさまざまですし、私自身レストランで働いていたからこそ、すべてに対応することの難しさも理解できます。だから、食事は基本的には私が作るか、安心できるお店に何度も通うようになりますよね。娘はSoup Stock Tokyoのミネストローネが大好きで、カップを抱えて口の周りをトマトで真っ赤にしながら喜んで食べるんです。(笑)
娘が食べられるスープは、参鶏湯、岩塩のスープ、ミネストローネの3つ。そこにさらにもう一つ私味のメニューがあったら選べる楽しみも増えていいかな。そのスープを娘に食べさせたい。と思ったところがはじまりです。

—娘さんに食べさせたいスープ。どんな味になったか気になります。

すぐにいくつか浮かんできたアイディアから、どれが一番いいだろうと試行錯誤しました。いままでのSoup Stock Tokyoになくて、さまざまな方に食べてもらうには?と。あっさり系からポタージュやシチューまでたくさん考えましたが、最終的に行きついたのは、私の母親の「お味噌汁」の味でした。
母の「お味噌汁」の味から、さまざまな人に食べていただける工夫を加えていきました。お味噌汁といっても、サラッとしたものというよりはそれを食べていれば安心、みたいに頼もしいもの。おうちで食べるお味噌汁って、ごはん、おかず、副菜などのバランスのなかのひとつだけれど、Soup Stock Tokyoで食事をされるお客さまの場合は、スープとごはんかパン。だからスープだけで食事としてまかなえることが大事だと思ったんです。「これを食べていれば今日の私は安心!」というようなスープです。

—「これを食べていれば今日の私は安心!」って、とても心強いです。

味についてお伝えしていくと、昆布だしと醤油をベースにして、糀の持つしっかりとした旨味を感じられる味噌と、米麹の芳醇な香りを生かした甘酒を使ったまろやかな和のスープに、食感や食べごたえが楽しめるお野菜やがんもどきなどを加えました。小さな工夫はたくさんしていますが、それ以上に、「おいしいから食べたい!」という気持ちになってもらえることが大切。栄養的に優れていることはもちろん大事だけれど、そればかりを気にしてしまうと食べることが“義務”になってしまう。それよりも、まずおいしいこと。食べて「おいしい」と感じることで気持ちをやさしくほぐしてくれて、カラダと心に前向きなパワーを与えてくれるようなお味噌汁を目指しました。

—娘さんに食べさせたい、もう一つのスープのカタチが「お味噌汁」だったんですね。

お味噌汁はどのご家庭でも日常的に食べるから商品として難しいかなとも思いましたが、私のスープの原点はやっぱりお味噌汁だったし、お味噌汁にまつわる思い出は誰でも持っているはず。
Soup Stock Tokyoで愛されているスープって、突然新しく生まれたものというよりは、世界各国の家庭で食べられてきたスープがヒントになっていたりとか、「まったくあたらしいもの」よりも「誰かの心の中にあるおいしくて懐かしい風景がよみがえってくるもの」だと思うんです。
醤油の香りの懐かしさやお味噌汁を飲んだ時にほっとする安心感、お母さんのお味噌汁の感じが与えてくれるやさしさだったりは特別な感情だと思っていて、その気持ちを感じてもらいたくてお味噌汁をベースにスープのレシピを組み立てました。

—やさしくて懐かしい感じを、たくさんの人に食べていただきたいです。

娘が生まれてから、同じようにアレルギーを持つお子さんのお母さん方から「食べさせるのに苦労しているんです」と相談されることがとても多くなりました。「外食をするのが怖くなった」というメッセージを頂いたこともあります。子どものためにはもちろん自分で作ってあげたいけれども、それと同時に負担もどんどんお母さんたちに積み重なっていく。私自身も働いて、子育てして、食物アレルギーを持つ娘がいるので、気持ちはとてもよくわかります。
「今日は疲れちゃったから、気晴らしもかねて外に食べに行きたいな」とか、「ちょっと簡単にすませたいな」というときが、必ずある。その反面でお母さんたちには「やっぱり子どもには手料理」という思いも根強くあって、それは愛情の面からも間違いないと思います。
その心のバランスを取れるのは、安心できるお店があるかどうか。自分が作らなくても安心して食べられて、そして外食すら大変なときに買ってきて食べられるもの。この二つが叶うものって私の経験でも本当に選択肢がありませんでした。

—川上さんご自身にもそんな時期があったんですね。

娘が生まれて食事が始まって間もなく、食物アレルギーを複数持っていることが分かって。とはいえ私も仕事復帰し始めた時期で、主人は私がいないときに「どこに食べさせに行ったらいいかなー」と悩んでいました。つわりで食欲がなかった時期にSoup Stock Tokyoに助けられていた経験もあって、「Soup Stock Tokyoだったら子どももおいしく食べられるよ!」と伝えたら、自宅近くのお店に行きはじめくようになって、すぐに主人と娘の楽しい外食の定番になりました。
子どもを想って安心でおいしいものを選ぶということも、親の愛情だと思います。“スープ”というカタチでも愛情を伝えるお手伝いができたら幸せなことだな、と思います。

—スープが愛情を伝えるお手伝いになれたら、私たちも本当に幸せです。

私は娘が生まれてから娘に自信をもって食べさせたり、「ママがやったお仕事だよ」と胸を張って伝えられる仕事だけをすることに決めているんです。今回も、原材料として使っているお味噌ひとつとっても、信頼できるものを探すところから始まって、いくつもお味噌を揃えてみんなで食べてみたり。今回ご一緒させていただく中で、Soup Stock Tokyoがおいしさを裏付ける努力や心を砕いていることが伝わってきて、娘にも誇れる仕事です。

—“食”をポジティブに楽しむヒントがあれば、最後に教えてください。

食物アレルギーだけでなく、食を選ぶ基準がますます多様になっていく。その中で信頼できるお店、信頼できる場所、信頼できる人。そこにいけば、居心地も良くて安心だと感じる「第二のおうち」のような場所をそれぞれが持っておくと、よりいい循環やつながりが生まれると思っています。
家族が増えて、食べることは積み重ねだとあらためて気づきました。10年後20年後の自分の体や家族の健康を考えたときに、『“おいしい”を前提に日々の食を選ぶ』ということをはじめていけば、それは負担ではなくて楽しいことになるし、それってとってもいいことですよね。

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川上さんの想いと、Soup Stock Tokyoが大事にしているスープへの姿勢が重なって、「大切な人に届けたいスープ」が完成しました。

Soup Stock Tokyoは創業当初から今もなお、大切な人に食べてもらいたいスープを目指しています。スープは、年齢も性別も国籍をも超えていく存在。だからこそ、一人ひとりとより向き合っていけたらと思っています。「Soup for all !」という考え方のもと、「食」という生活の楽しみの中にある小さくて大きな壁をひとつずつとりのぞき、ご自身はもちろんのこと、皆さまの大切な方にも食事を楽しめる機会を増やしていきたいと考えています。詳しくはこちらをご覧ください。
▶︎Soup Stock Tokyo は食のバリアフリーを推進します。

MIHO KAWAKAMI 川上ミホ

料理家、フードディレクター、ソムリエ。国内外のレストランでの調理経験を経て独立。食のスペシャリストとして書籍・雑誌、企業webなどメディアを中心に活動。イタリアンと和食をベースにしたシンプルでストーリーのあるレシピと感度の良いスタイリングに定評がある。2014年、目黒区東山にプライベートレストラン「quinto」をオープン。Louis Vuitton city guide TOKYO版掲載など注目を集めると共に、同名で食を中心としたライフスタイルブランドをスタートしている。

※Soup Stock Tokyoでは、2019年11月25日(月)より店頭掲示メニューおよびWEBサイトのメニューに「ベジタリアン」マークを明示し、対象商品が一目でわかるようにいたします。なお、Soup Stock Tokyoにおけるベジタリアンスープとは、動物性食材(牛肉・鶏肉・豚肉・その他の肉・魚介類・卵・乳製品)を使用しないスープです。砂糖、はちみつ、油の使用につきましては、ウェブサイトでご確認頂けます。外部機関の認証等を受けているものではございません。
※Soup Stock Tokyoでは、食物アレルギーをお持ちの方へのご配慮のために、新商品の開発・調理手順の順守・情報のご提供など、これからも最善を尽くして参りますが全てのお客さまにアレルギーが起きないことをお約束する商品ではございません。
また、同一のキッチンで調理しておりますので、予期しないアレルギー物質の混入を完全に防ぐことはできません。
症状が重篤な方や、極めてわずかな量でも避けられたい方は、これらのことを事前に専門医にご相談頂きましたうえで、お客さまご自身のご判断でお召し上がり頂けますよう、お願い申し上げます。

※アレルギーに関する情報は「食の安心・安全」をご覧ください。

 

 

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