「猫のためのスープ」が生まれるまで

数年前に一度知り合いから「猫のためのスープ」を一緒につくりませんか？という提案をもらったことがありました。
目の前のお客さまにまだまだスープを届けきれていないのに、猫用のスープをやる意味があるのかな？と提案をもらった当時はあまり前向きにやる気持ちはありませんでした。

―そこから数年経ってなぜ、やはりつくろうと思ったのでしょうか？

一緒に暮らしていた家族（猫）との別れがきっかけでしたね。大学3年生から16年間、ぽこたという猫と一緒に暮らしていました。
出張のためにキャリーケースを持ってくると、寂しいのか必ず荷造りの邪魔をしたり、トマト缶をあける音が聞こえると自分のご飯が来たと勘違いして駆け寄って来たり、ご飯の大好きな子でした。スープストックトーキョーに入社するときにも、地方に転勤するときにも、結婚するときにも、その時々で関係性は違いましたが、人生のターニングポイントには必ずそばにいる「相棒」のような存在でした。コロナ禍になり、リモートワークが多くなってからは必ず隣の席にちょこんと座ってくれていましたね。

そんなぽこたと実は2020年にお別れをしました。あんなにご飯が好きだったぽこたが突然食べなくなってしまって。腎機能が弱っていたそうです。

自分で作ろうとも思ったのですが、インターネットで調べてみると、いろいろな情報がでてきて、どの情報が正しいのかもよくわからず……。
せっかく今自分が働いている会社が、たくさんのスープ作りをしてきたスープストックトーキョーなのだから、大切な家族が安心して食べられるスープを作りたいと思い、社内で「猫のためのスープ」の提案をしました。

―ぽこたは「猫のためのスープ」を食べてくれましたか？

ぽこたが体調を崩し始めたときから、「猫のためのスープ」の開発・販売に向けて準備をしていましたが、結局スープを食べてもらうことは叶いませんでした。

猫って大体ご飯を食べた後は毛繕いをします。お別れの間近は注射器を使ってご飯を食べてもらったりもしましたが、そのときは毛繕いをしなくて。でも自分でスープを食べるときはちゃんと毛繕いをするのです。自分がご飯を食べているという認識があって、満足感があったのだと思います。

最後までスープは自分から口にしてくれて。獣医さんから「やっぱりスープ屋さんの子ですね」と言われた時には胸にこみ上げてくるものがありました。

―渡部さんの想いがこもった商品なのですね。

いや、私だけではこの商品を作ることはできなかったと思います。当時一緒に仕事をすることの多かったSoup Stock Tokyoのスープを開発してくれるシェフも、猫を看病した経験があって、猫のために自身でスープをつくったことがあったり。オンラインショップ担当のメンバーも猫と一緒に暮らしていたり。もちろん猫と一緒に暮らしていないメンバーもいたからこそ、改めて気づいたこともたくさんありました。

ぜひ家族（猫）の人生について考えるきっかけにしてほしいなと思います。
人の寿命だと猫の1年は約４年で換算すると言いますが、だったらその4倍楽しい人生にしたいなと思うのです。だって大切な家族ですから。「猫のためのスープ」を通じて、今一緒に暮らしている猫との関係性と向き合って、後悔のない猫との暮らしを送ってほしいなと思います。猫の人生が幸せであれば一緒に暮らす家族も幸せですしね。

・・・・・

●商品概要
・商品名 : 猫のためのスープ
・販売場所 : Soup Stock Tokyo 公式オンラインショップ
・配送方法 : ポスト投函にてお届けします。

●お召し上がりに際して
・電子レンジで人肌程度に軽く温めると香りが立ち、食いつきがよくなるのでおすすめです。
※必ず電子レンジ専用容器に移し替えて温めてください。温めすぎた場合は火傷しないよう適温まで冷ましてから与えてください。
・商品の特性上、中の具材が偏ってしまっている場合があります。袋全体を軽くもみほぐして開封すると具材が均等に出てきます。
・単体で与えてもドライフードのトッピングとして与えていただいてもどちらでも構いません。なお、すぐに食べない場合の食べ残しは放置せず、廃棄してください。
・副食として子猫からシニアの猫まで与えていただけます。総合栄養食ではありませんので、別途総合栄養食も一緒に与えてください。

・・・・・

いつも私のそばにいる。猫は家族です。

Soup Stock Tokyo. Soup for Cat.