
産地だより
カリフラワーが主役です
毎年、夏に数量限定でご用意しています。
際だった甘さがあるわけでも、色鮮やかな華やかさがあるわけでもない。料理の主役に躍り出ることはそこまで多くないけれど、しっとりとした食感の中に、みずみずしく繊細な甘さを秘めたカリフラワー。
スープストックトーキョーでは、毎年このカリフラワーを主役として、帆立のブイヨン「フュメ・ド・サンジャック」と合わせ、冷たいポタージュを作っています。ひんやりとしたスープを口に運ぶと、柔らかな甘味とほのかな帆立の旨みがすっと広がる贅沢な一杯です。
私たちが「カリフラワーの個性に光を当てよう」、そう思い始めたのは今から約10数年前のこと。おいしさを最大限引き出したスープを作るための試行錯誤を続け、3つのポイントにたどりつきました。
カリフラワーづくりをお願いしているのは、静岡県の生産者団体TOPHATさん。元建設コンサルタント、元アパレルショップスタッフなど、さまざまなバックグラウンドを持ち、「“野菜”だけでなく“日本の農業”も育てたい」という志を持った若手の農家さんの集まりです。
TOPHATさんに植え付けをお願いし、スープに使うカリフラワーを育てはじめました。TOPHATさんと開発担当は常に生育状況をやりとりしながら、二人三脚のようにして収穫時期までを迎えていきます。TOPHATの代表をされている早川ナナさんは、こうおっしゃいます。「もともとスープストックトーキョーのことは、おいしいスープ屋さんだなと思っていましたが、おしゃれなイメージが強くて、まさかこれほどまでに食材へのこだわりがあるとは!とご一緒するなかで驚いています。「植え付けから収穫まで一緒に進めているので、まさに二人三脚です」。

「一番おいしい時」をTOPHATさんと相談し、毎年、カリフラワーの収穫に適したタイミングで収穫しています。
収穫したらすぐさまカリフラワーの一次加工へ、そのままスープづくりがはじまります。
2月頃には採れたてのカリフラワーでスープができあがりますが、販売自体はあえての「夏」。ここからしばらく出番を待つことになります。その理由は、カリフラワーの繊細な甘みや旨味を感じていただくのに「冷たいポタージュ」がぴったりだからということ、そして、冷たいポタージュは、夏のこの時期だからこそおいしくお召し上がりいただけるからです。
カリフラワーの味は、その年の天候などにより少しずつ異なるので、カリフラワーの味にあわせて、その年だけのレシピでスープを作ります。私たちが大切にしているのは、「毎年同じ分量で作ること」よりも「毎年一番おいしくつくること」。
今年の「カリフラワーの冷たいポタージュ」は例年よりも塩を少なくし、カリフラワー本来の甘さを感じていただけるようにつくり上げました。
最後に、TOPHATの早川ナナさんからいただいたメッセージをお届けします。
「カリフラワーの冷たいポタージュは、カリフラワーの繊細な味が捉えやすく、甘みや旨味などがしっかり感じられ、カリフラワーを食べている感覚がしっかりあります。スープストックトーキョーと一緒にカリフラワーを作ってきて、気がつけば4年が経ち、品質なども安定してきました。今年は特に、天候に恵まれ、甘さがたっぷりのって苦味の少ないものが収穫できました。今までの4年間で一番甘みが強いかもしれないです。私たちはスープを召し上がっているお客様の顔を直接見ることはできませんが、スープストックトーキョーの皆さんが感想や反響を教えてくださるので、一緒に作り上げている気持ちになれます。たくさんの人の試行錯誤やこだわりがぎゅっと詰まった一杯ですよ!と皆さんに伝えたいです。」
スープストックトーキョーの夏を告げる定番のスープ「カリフラワーの冷たいポタージュ」は数量限定です。ぜひお召し上がりください。
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スープストックトーキョーのスープは、土地や人、文化や食材との出会いから生まれています。思いが重なり生まれたこのスープを、この夏もお届けします。
販売期間:2021年7月26日(月)〜約1週間 ※数量限定のため売切れ次第、販売終了する場合がございます
販売店舗:スープストックトーキョー全店(中目黒店を除く)