商品のひみつ

アートから生まれたスープ「フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ」

私たちは自分たちのスープを、ひとつの「作品」だと考えています。ですから、料理として素材にこだわり手間隙をかけることはもちろん、インスピレーションを何から得るのかも、とても大切にしています。「アート」もその一つです。絵に込められたストーリーやアーティストの人生、文化的背景や、芸術的挑戦を丁寧に読み解きスープに込めていきます。
「フェルメールが美を見出した350年前の日常はどんな日々だろう?」
「フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ」はそんな空想から生まれました。

日常を描くためにつくられた余白

画家フェルメールは、17世紀の庶民の日常を描いた風俗画を多く残した作家です。代表作のひとつである「牛乳を注ぐ女」には、陽の光の中で料理をする当時の女性の姿が描かれており、宗教や神話ではない、何気ない日常から美を見出した作品と言えます。また、この作品をX線照射で調べると、白い壁の余白にはもともと地図が描かれていた事がわかりました。フェルメールの試行錯誤が見えてくるようです。こうして作り出された「余白」の美しさが350年前の日常の静謐を今に伝えます。

「じゃがいもは、まだこの時代には使われていないので、レシピに入れるのはやめましょう」

例えばこのように、専門家の方とともに一つひとつ時代考証をし、作品から分かることだけでなく、当時の食文化に関する史実を頼りに想像をふくらませます。酪農王国オランダに牛乳とチーズはかかせない。パンは固めのはず。だしは恐らく野菜から。など、当時の日常の食卓に上がるような考証をしつつ、作品における壁の「余白」のように、パン以外の目立つ具材は入れずにあえて引くことによってスープ自体の味を引き立てました。

「万人受け」より「その人に深く」

最終的に3つの試作品が完成しました。そこから選ばれたのは、作品の世界観に一番近い味わいを感じる「一番クセのあるスープ」。熟考を重ねた私たちが大切にしたのは、「万人受け」より「その人の心に深く印象に残ること」でした。ゴーダチーズがミルクに溶け込んだミルクスープの中に、マスタード、レーズン、胡桃のアクセント。今では、熱心なファンに支持いただく、人気のスープのひとつです。


フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ
ゴーダチーズが溶け込んだ濃厚なミルクのスープに胡桃とレーズンのパンを合わせました。マスタードソースをスープに添えて爽やかな酸味を加えています。

ストーリー

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