あけましておめでとうございます。
四谷という場所を初めて訪れたのは、
20年近く前のことです。
当時は、フランス料理のコックとしてホテルで
働いていたのですが、入社してすぐに体調を崩し、
調理に従事できなくなってしまいました。
周囲の同期は次々と新しい仕事を覚えている中、
私は、事務所でメニューを書き、食材を発注する日々。
「自分のやりたい仕事はこれじゃない」と悩み、
とても焦っていました。
少しでも夢に向かっているという手応えを感じたくて、
考えた末、四谷にフランス語を習いにきていました。
厨房内のメニューは全てフランス語表記、この際
提供している料理を全部覚えようと考えたのです。
1年ほど経つと、メニューボードを確認するだけで、
上司や先輩からメニュー名を言われる前に、
食材や手順を先に準備できるようになっていました。
準備ができている分、次の仕事を任せられることが
多くなり、フランスからシェフが来日した際の
アシスタントや料理教室などのイベントにも声が
かかるようになって、充実した仕事をすることができました。
考え方ひとつで状況は打開できるということ、
今でもその想いは変わらずに持ち続けています。
四谷で働いている今も、仕事が終わって、
夜の暗い中、不安な気持ちで語学学校に通っていた
当時の自分が今にも駅から出てきそうな気がして、
しみじみと懐かしい気持ちになります。
当時の自分に「きっと大丈夫。」と伝えたら、
どんな気持ちになったのだろうと思いながら。
四谷店のお越しのお客様も、
これからの未来がいいものになりますように。
今年も一年よろしくお願いします。