あけましておめでとうございます。
「コンコン」
店でスープをよそっていると、
たまにこんな音が聞こえます。
なんだろう?とふと顔を上げてみると、
ガラス窓のむこうで常連のお客様が笑顔で
手を振っていらっしゃいます。
嬉しくなってこちらも手を止めて、
窓越しに手を振ってご挨拶。
私の広尾店のお気に入りはなんといっても
この大きな窓ガラス。春は桜に始まり、
窓越しに移りゆく季節や町の雰囲気が楽しめる、
なんとも風情のある店舗です。
失敗して落ち込んでいる時、そんな時でも
窓ガラス越しに知っているお客様の顔が見えると、
「あっ!○○さんだ!」と嬉しくなるのです。
そんなお客様の笑顔を見ると落ち込んでいた
気持ちがふっと明るくなります。
私はいつも、広尾店のお客様に救われてきました。
私が広尾に来て2年が経ちました。
店に来てくださるお客様だけでなく、広尾の町の
皆さまともご縁を作ることができました。
(中にはもう、「お母さん」と呼ばせていただいて
いるお客様もいらっしゃいますね。)
私は実はスープストックトーキョーのほかに、
バーテンダーとしても働いているのですが、
バーには本当に様々なお客様がいろいろな
思いを抱えて店にいらっしゃいます。
家族でもない、友人でもない、
けれども何か話したくなってしまう存在。
私はそんな誰かの心の止まり木(bar)に
なれるような、そんな接客を目指しています。
今までも、そしてこれからも、
このガラス窓から見える景色が
あたたかいものでありますように。