Soup Friends

Soup Friends Vol.19 / ILMARIさん

ヒップホップグループ“RIP SLYME”のMCと、“TERIYAKI BOYS”のリーダーを務めるILMARIさん。スープ(汁物)にまつわる想い出や、普段の食生活について伺うと、甘いマスクとのギャップが一層魅力的なインタビューとなりました。

──ILMARIさんのスープ(汁物)にまつわる思い出を、ぜひ教えてください。

小さい頃から家ではよくスープが出てきました。母がフィンランド人なのですが、フィンランドではよくスープを食べるのです。だから、僕のおふくろの味は“みそ汁とごはん”ではなくて“スープとパン”なんですよね。
“Makkara Keitto(マッカラケイット)”というソーセージと人参と玉葱とじゃがいものコンソメスープとライ麦パンの組み合わせが定番でした。“Lohi Keitto(ロヒケイット)”という鮭のスープもよく食べましたね。それから食後には“Mustikka Keitto(ムスティッカケイット)”といって、ブルーベリーをとろとろに煮込んだ甘いスープが出てきました。フィンランドの食と言えばトナカイと言われますが、トナカイのスープもおいしいですよ。首都のヘルシンキではあまり食べませんが、フィンランドの北の方に行くとトナカイを放牧している人たちがよく食べます。

──ご自身でお母さまのスープをお作りになることはありますか?

自分で作ってみたことはありませんけど、先日フィンランドに帰った時に定番の“Makkara Keitto”が出てきて、母が僕の奥さんに作り方を教えていました(笑)。

──昨年ご結婚されて食生活は変わりましたか?

変わりましたね。独身の頃はほとんど外食ばかりだったので、家でおいしいものが食べられるというのは有り難いですね。健康面も気づかってくれているので、玄米は毎日食べると疲れるからと、週に1~2回くらいに調整してくれたり、朝は野菜をつかった酵素ジュースとか、さらっと冷汁なんかも作ってくれたり、結構何でも作ってくれますよ。

──現在ツアーの真っ最中でいらっしゃいますが、食事で気をつけていることがあれば教えてください。

以前、ツアー中に炭水化物を抜いてみたら体調を崩したことがあったんです。その時に受けた食事指導で炭水化物をしっかりと摂った方がいいと知って、それ以来、炭水化物を中心に摂り始めたら身体も軽くなってとても調子がよくなりました。日中に炭水化物をたっぷり食べると、そのあと間食をしなくて済むので、かえって体重が落ちたように思います。野菜を多めに食べて、揚げものはなるべく控えています。

──お酒はお好きですか?

好きですねー。でも、昔みたいに前の日飲んでライブやって、終わってまた飲んでっていうのは段々つらくなってきました(笑)。朝まで飲む機会も以前よりは大分減って、夜中までっていう程度になりましたしね(笑)。お酒は何でも好きですけど、特に麦焼酎が好きです。って、僕が焼酎っていうとおかしいですか(笑)

──好きな食べものは何ですか?

カレーですかね。それもビーフではなくてポークカレー(笑)。割とベーシックなものが好きなので、例えば学生の頃、麻布十番の“Homework’s”というハンバーガー屋でアルバイトをしていたのですが、スープならミネストローネかクラムチャウダー、ハンバーガーならチーズバーガーかBLTみたいに正統派のものを選びますね。

──錦糸町の駅ビル「テルミナ2」にSoup Stock Tokyo(以下、SST)を出店したばかりなのですが、ILMARIさんは錦糸町のご出身だそうですね。

はい。でも最近の錦糸町は、RYO-Zくんと僕が住んでいた頃からしたら、随分と洒落ていて、すっかり変貌してます。

──SSTで気になるスープがあれば教えてください。

コクのあるスープが好きなので、“スキャンピ(手長海老)のビスク”や“オマール海老のビスク”とかいいですよね。二日酔いにもよさそうですよね(笑)。

──ちなみに朝ごはんは、ご飯とパンのどちらがお好きですか?

どちらかというと ご飯ですね。でも、SSTの石窯パンも好きですよ。スープとよく合いますよね。

──ありがとうございます。でも、実は白胡麻ご飯も人気があるんですよ。“北秋田こまち”という等級Aのお米に、オリーブオイル、塩、白胡麻を入れて炊きます。結構女性にも人気があってスープともよく合うのです。ひとりで立ち食いそば屋さんに入りづらい女性たちがひとりでも入れるお店をつくりたいと、弊社の代表が思い立ってできたのがSSTなのです。

へぇ、そうやってできたんですか。スープとご飯ってなんだかとても新鮮な組み合わせで驚いたけど、でも女性がひとりで立ち食いそば屋さんや牛丼屋さんには入りづらいでしょうし、さらりと入れてスープとご飯が食べられたら助かりますよね。なんだか、いい話を聞いちゃったな(笑)。

──おいしいものを求めて旅をするとしたら、どこへ行きたいですか?

イタリアに行ってみたいですね。まだ行ったことがないのですが、絶対にごはんがおいしそうじゃないですか。イタリアンは東京で食べてもおいしいから、本場の味をぜひ食べてみたい。RYO-Zくんが行って、お酒もごはんもめちゃくちゃうまかったって言っていました。あと、フランスの大衆食堂もおいしくて好きですね。テラスでワインとか飲みながら食事するのが最高ですね。

──現在、絶賛発売中のアルバム『STAR』について教えてください。また、“RIP SLYME STAR TOUR 2011”の真っ最中ですが、今年でデビュー10年ということで今までのツアーと比べて違う感触はありますか?

まず『STAR』というアルバムについては、メジャーデビューした最初のアルバムがメンバーが5人ということから『FIVE』というタイトルだったので、今回はデビュー10年ということもあって一周して再スタートという意気込みと、極力5人でつくった経緯を踏まえて“5つの点を結んでひとつの星”みたいな意味を込めて『STAR』と名づけました。ツアー自体は1年8か月ぶりだったので、今回初めて来てくださる方も多いし、去年リリースしたベスト盤から選んだ過去10年間の曲と、ニューアルバムからの新しい曲を織り交ぜながらやっているので、お客さんが思い入れのある曲も入れつつ、新しいリアクションも得られて、なかなか面白いです。あと、今回はゲストやバンドもいなくて、本当に5人だけでやっているのも、いつもと違う大きな特徴と言えると思います。

──最後に、今後ILMARIさんが取り組みたいプロジェクトがあればお聞かせいただけますか?

個人の活動としては、いま僕が参加している、さまざまな職業や才能をもった人が集うブログコミュニティー“rirelog(リルログ)”のリアルイベントをやりたいと思っています。またRIP SLYMEの活動としては、今年の夏は積極的にフェスに出る予定です。フェスはRIP SLYMEのファンだけじゃないので、僕たちのライブを観たことがない方たちにも観てもらえるきっかけになっていいですよね。まずは目下のツアーとフェスをまっとうします!

ILMARI/イルマリ

1975年フィンランド・ヘルシンキ生まれ、東京都育ち。ヒップホップグループ“RIP SLYME”のMC担当。2001年にシングル『STEPPER’S LIGHT』でメジャーデビュー。日本のヒップホップをメジャーシーンに浸透させ、数々の偉業を達成。個人では、『R246 STORY-CLUB246-』で初映画監督デビュー。現在、絶賛発売中のアルバム『STAR』を引き提げ、7月18日まで“RIP SLYME STAR TOUR 2011”で日本全国縦断中。

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