ヨハネス・フェルメール ≪牛乳を注ぐ女≫ 1658-1660年頃 アムステルダム国立美術館

Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1908 RUKS MUSEUM

フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ

09/28(Mon)〜

日常の中に、
美を見出す。

17世紀のオランダの画家・フェルメールが描いた「牛乳を注ぐ女」からインスピレーションを得て、
2018年秋、Soup Stock Tokyo の新たなアートスープ「フェルメールの”牛乳を注ぐ女”のスープ」が生まれました。

フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ

ゴーダチーズが溶け込んだ濃厚なミルクのスープに胡桃とレーズンのパンを合わせました。マスタードソースが爽やかな酸味を加えています。

販売店舗:Soup Stock Tokyo外食店舗(※一部店舗除く)

フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ

350年前の愛すべき日常へ

なぜ、パンに牛乳を注ぐのか

描かれているのは、とある家の台所で、女性がピッチャーから器にそっと牛乳を注ぐ様子。器の中には堅くなったパンが入っていると思われます。当時は日が経って乾燥したパンを牛乳に浸し、パンプディングやパン粥などを作ったといいます。

季節は冬、午後2時頃?

女性の服装をよく見てみると、服を肘までまくっているものの、布地は厚い冬物のよう。足元に足温器があることから、季節は冬だとわかります。室内には左側の窓から優しく光がさし込む、穏やかな午後のひとときのようです。

日常が美しく見えたからこそ

作品の題材は、今の私たちとも重なる“日々の生活で料理をする”、そんな瞬間です。降り注ぐ冬の光、静かに注がれる牛乳が描く螺旋、体温を感じさせる柔らかな仕草。フェルメールの目には、日常が美しく見えたから、この作品が生まれたのではないでしょうか。

美しさを伝えるために

消えた地図の理由

X線照射で調べてみると、もともと壁には地図(または絵画)があり、床には洗濯かごがあったそう。それらを消した理由は、作品の主題を「この一人の女性」として明確に描くためだったという一説も。

細部に宿る、技巧と熱量

前掛けやテーブルの布は、別名フェルメールブルーといわれる、気品ある瑠璃色。卓越した観察眼は色彩だけでなく質感にも行き届き、奥にある金物の冷たさ、パンの粗い肌触りなど高密度で風景を捉えています。

この言葉があったから
このスープになりました

作品には、牛乳やパンが描かれていますが、それ以外にスープを作るための手がかりはどうやって集めるのか。専門家の方とともに時代考証をおこない、作品から分かることだけでなく、当時の食文化に関する史実を頼りに想像をふくらませてスープを開発しました。その過程で語られたキーセンテンスをご紹介します。

じゃがいもはまだ、この時代は家庭で食べられていないのでレシピから抜きましょう。

第1回試食会より

試食会での試作品は、じゃがいもの食べ応えあるスープ。しかし、当時、じゃがいもは、花を観賞することはあっても、食用としては普及していなかったのです。そうした史実もレシピに織り込みました。

この絵のパンは、固くなくっちゃいけないんです。

第1回試食会より

作品の中のパンの質感からヒントを得て、それを思わせるような堅いパンを探しました。作品へのオマージュとして、堅いパンに牛乳の代わりにスープを注ぐ所作を取り入れました。

この作品から生まれるスープは、『余白』があってほしい。

第2回試食会より

スープの色は、作品の中の壁の印象に。さらには、フェルメールが試行錯誤の末にたどり着いた「余白」を表現するために、シンプルな具材を選びました。

酪農王国オランダに、牛乳とチーズはかかせません。

キックオフミーティングより

題材となる牛乳をメインにすることを最初に決めて、オランダ産ゴーダチーズを溶け込ませることで味に奥行きを持たせています。

実は、マスタードは、古くから食卓で親しまれていたんです。

キックオフミーティングより

オランダときいて想起されるあの「風車」は、実はマスタードを挽くためでもありました。チーズにマスタードをつけて食べるオランダの食文化を取り入れました。

この作品に出会えたから、
生まれたスープです。

「万人受け」よりも「この作品だからこその一杯」を。

「万人受け」よりも「この作品だからこその一杯」を。

商品を決める最終過程に、実は3つの試作品がありました。どれも個性が光り、Soup Stock Tokyoとして胸を張っておすすめしたい出来栄え。そこから選ばれたのは、“酸味が効いた発酵感のあるスープ”、3つの試作品のなかでも一番クセのあるスープが、この名を冠することになりました。

その決め手は、作品の世界観に一番近い味わいを感じることができるから。
選ばれたスープで使っている食材は日常的なものですが、スープになると良い意味で“ふつうでない驚き”があります。熟考を重ねた私たちが大切にしたのは、「この作品から生まれたスープとして印象に残ること」。
このスープは、私たちにとっての「作品」なのです。