
- 医療・保育施設
岡山中央病院産婦人科バースセンターさま
- 食がバースセンターを通じて、社会に喜ばれ、職員の働き甲斐と誇りの集まる場となる
- Soup Stock Tokyoの導入で、産後の生活にわくわくを増やしたい
- あたたかくておいしいスープがお母さんの産後不調にそっと寄り添う
食がバースセンターを通じて、社会に喜ばれ、職員の働き甲斐と誇りの集まる場となる
岡山中央病院副院長 経営企画室室長兼診療技術部部長 渡邉伸作:
岡山中央病院は、本棟にあった産婦人科を新棟に移設し、2020年11月に岡山中央病院産婦人科バースセンターとしてリニューアルオープンしました。
今、全国的にお産数は減少しています。
岡山も同様で10年前岡山市のお産数は6600件でしたが、昨年は4600件と2000件減りました。
当院のお産件数はありがたいことに増加しており、バースセンターに関わる職員の多くはお産に来てくださる方に感謝し、その信頼を裏切らない様にそれぞれが日々より良い形に変えていこうとする主体的な意識が高いです。
それが良い方向に向かっている一番の要因ではないかと思っています。
具体的には当バースセンターは「より優しい医療をより快適な環境で」をコンセプトに、より安全・安心なお産向上の取り組みはもちろんのこと、お産された方やご家族が快適に過ごせる環境とは何か、よりうれしい食事とは、より喜ばれるお土産とはなど、常に改善、満足を提供するために医師や助産師、保育士、管理栄養士、調理師や事務など多職種で月に一回提案や課題を持ち寄って話し合いを行っています。
(キャプション)絵画やアートがたくさん飾られたバースセンターのLDR室前の空間
お産された方が安全にお産をされ、産後も居心地良くお過ごしいただき、退院後に「ここで産んで良かった」と思っていただけることが職員は一番うれしい。またそれはお産された方と直接の関わりが少ない栄養科のスタッフであっても同様です。こういう喜びが職員の働き甲斐や誇り、エンゲージメントの向上につながり、広がっていくのだと思います。
現在、バースセンターの満足度に関するアンケートでは、毎月「食事」が人気の上位を占めます。助産師や保育士の方たちはよく「私たちの接遇や関わりを一生懸命しても、食事には勝てない(笑)」と、冗談でお話しをされます。食事を作る栄養科はその時、バースセンターにおいて役に立っているのだと有難く、更に力を合わせて頑張りたいと思うのです。
実際、お産された方が次の出産の時に来られた際に前回と同じ食事内容では満足度が下がってしまいます。
再びお産をされる方にも同様の幸せ、喜びを感じていただくためにも食事は常に工夫や向上が必要です。
そうした思いから、オープン当初にはなかった Soup Stock Tokyo のスープを導入し、食の進化を続けています。
Soup Stock Tokyoの導入で、産後の生活にわくわくを増やしたい
栄養科科長 安田義博:
以前から、女性職員に「東京に行ったらSoup Stock Tokyoのスープをお土産に買ってきてほしい」と頼まれることがありました。数年前に出張で品川駅の店舗(現在は閉店)に立ち寄った際、お客さまが落ち着いてゆっくりと食事をされている姿や、ほっと落ち着ける味に触れ、その頃からSoup Stock Tokyoは私の頭の片隅にありました。
今回、バースセンターの食事では「地元産の食材を使い、多種多品目を手作りで提供しよう」という気持ちがまず第一にありました。
ただ、それは世の中の飲食店がどこでもやっていることです。スープが「手作りでおいしいね」と言われるだけでは自己満足に終わってしまいます。
私が本当に目指したいのは、お母さん方が退院後、慌ただしい日々の中で「あのスープがおいしかった」とふと思い出したときに、もう一度手に取れること。
「もう一度食べたいわ」「あの土地の食材、実際に行って食べてみたいな」と思ったときに、再び足を運んで味わってもらえる食事づくりができないかと考えました。
しかもこれからは、当然お子さんと一緒のおでかけになるかと思います。
私自身も幼少期の外食体験が強く印象に残っているので、このバースセンターでの入院体験が退院後の生活につながっていくように、その一つの試みとして、Soup Stock Tokyoを導入しました。
渡邉:
バースセンターではブランディングも大切にしています。
Soup Stock Tokyoを導入するにあたり、オペレーションや味、栄養面といった要素ももちろん選定のポイントではありましたが、何よりも大事なのは、お母さん方が「Soup Stock Tokyoでうれしい」と感じてくださることだと思いました。
導入によって、当院の食事のブランド価値を高められると感じたことが最大の決め手になりました。私は安田という厳しい料理人を信頼していますので、その安田が「Soup Stock Tokyoを」と提案してきた時点で、大丈夫だとは確信していましたが(笑)。
実際に提供を始めて、当院のブランド価値がさらに高まっていると実感しています。本当にありがたいことです。
あたたかくておいしいスープがお母さんの産後不調にそっと寄り添う
栄養科リーダー 西井詩於莉:
産後は免疫が落ちやすく、便秘になりやすい時期です。また、不安を抱えやすい時期でもあります。温かいものを食べて体温を上げることで免疫力を高め、便秘の改善も期待できます。さらに、温かい食事にはストレスを和らげる効果もあり、スープはその点でとても優れていると感じています。
導入後のアンケートを見ると、店舗がない岡山でも多くの方がSoup Stock Tokyoをご存じでした。
「Soup Stock Tokyoのスープが食べられてうれしい」というお声のほか、産後のお母さんへメッセージカードもつくってくださったので「お祝いの言葉がとてもうれしい」と、大変好評です。私自身もカードを拝見して、心が温まりました。
安田:
現在、産科食の他に、人間ドック食としてもSoup Stock Tokyoの冷凍スープを導入しています。これも温かいスープを提供することで、食事制限後の一食目として胃腸と心へのやさしさと安らぎを提供したいという目的のもと採用しています。また、まもなく産科のお夜食としてフリーズドライのお粥も取り入れる予定で、入院の際にはプレゼントのように包んでお渡しする計画です。(2025年7月より提供開始。)
★後編はこちらから “あなたと共に”× “世の中の体温をあげる”― 理念の共感が導く、医療現場におけるスープの可能性- 岡山中央病院さま