あけましておめでとうございます。
私はかつて、「書道教室を開きたい」と夢見て、文学部に通う女子大生でした。
5歳で筆を持ち、大学卒業まで書道を続け、教員になろうと思っていました。
いざ大学卒業となった時、自分が世の中のことを何も知らないのに、先生という職について良いのだろうかと悩み、一般企業への就職活動を始めたのが2011年の春。
エントリーシートを書こうとペンを握っても、「自分のやりたいことって何だろう」「私に何ができるのか」考えても、考えても、出てきませんでした。
何も考えられないままその夏を過ごし、夏休み明けに学校へ行くと、周りの友人たちはもう進路が決まっていました。
そんな状況に直面しても、就職活動に本気になれなかった私が、なんとなく行った学内説明会で出会ったのが「スープストックトーキョー」でした。
「世の中の体温をあげる」という企業理念にはじめて胸がときめきました。
今までの就活と違って、面接の過程も「人」と話をしている感じがして安心したのを覚えています。
その時感じた「人」への想いの熱さは、今も変わらず、むしろ強くなっている気がします。
自分の仕事によって、目の前にいる誰かを幸せにできて、それを実感できる仕事。
私の性格には「目の前で会うことのできない、たくさんのお客様への仕事」よりも、
「目の前で会うことができる、たったひとりのお客様への仕事」のほうが向いている。
毎日手探りで、実は今でも悩んだり、「もっとこうできたかもしれない」と考えたりします。
それでも、私は、喜びに手触り感があるこの仕事が好きです。
これからも上野店にお越しの皆さまが笑顔になれる店を作っていきたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。