あけましておめでとうございます。
子供の頃、パン屋にお遣いに行って、
千円札を落としてしまったことがあります。
家とパン屋を何度も往復して探しましたが見つからず、途方に暮れながら家に帰り、怒られるのを覚悟で母に伝えると、
「お金も大事だけど、無事に帰ってきたからいいよ!」
と、優しくさらっと言ってくれたことがあります。
一生懸命やったけれど失敗してやめたくなった時はいつも、絶対に否定をせずに
「いいよ!」
と言ってくれる家庭で育ったので、私も歳を重ねていく毎に
「いいよ!」
が板についてきたように感じます。
毎年3月には、たくさんの学生さんがスープストックトーキョーを卒業していきます。
昨年の春、とある学生さんに「私を採用してくれてありがとうございます」と涙ながらに言われた時、私はこの子の親としての務めを終えたのだと感じ、2人で泣き笑いをしながらお別れをしました。
スープストックトーキョーでの私の役割は、一緒に働く仲間の母親のような存在であると思っています。
今年も個性豊かな仲間たちが、お客様との出会いで成長をする姿を楽しみに、陰ながら見守っていけたらと思います。
本年も皆さまにとって素敵な1年となりますように。