2019/4/20(sat)@東京・自由が丘

土曜日の朝のすごしかた : 食と器のリクリエーション
第2回「一週間をねぎらうハーブティ」

「土曜日の朝のすごしかた : 食と器のリクリエーション」、第1回に続き、4月もalso Soup Stock Tokyoにて、土曜の朝を豊かにすごすエッセンスをお伝えしました。

ワークショップのコンセプトや、第1回目の様子はこちら。

■ 自分をねぎらう土曜日の朝

春を感じる穏やかな空気に包まれた午前10時。散歩している方がふらっとワークショップの様子を覗きこめるほど、店内の大きなガラス窓は全開。フレッシュな空気と準備されているハーブの香りに癒されながら、ワークショップが始まりました。

今回ハーブティの魅力を教えてくださる方は、エルボリストの小林さん。エルボリストとはハーブの調合師のこと。ヨーロッパでは薬局と同じように、エルボリストが、街で調合してくれる場所があり、胃をすっきりさせたり、体をあたためたり、目的にあった各々の葉や花を調合してくれるそうです。
小林さんは人それぞれに合ったブレンドハーブティを提供するブランド「ELVORIKA」を立ち上げ、各地でワークショップを開催されています。

まずは、小林さんが調合した5種類のハーブティを飲み比べてみることに。「ハーブは組み合わせて飲むことで、相乗効果がある」との言葉どおり、美容や体調改善などの目的別に10種類以上並んだハーブから小林さんによってブレンドされたBeautyやEnergyなどのお茶を参加者全員で飲み比べました。すると、好みはバラバラ。なかでもハイビスカスのきれいな赤がカップに映えるBeautyが一番人気でした。

ブレンドされたハーブティには、砂糖は加えられていないにも関わらず、ほのかな甘みが。
さらにはステビアという甘味があるハーブがブレンドされることで、自然な甘さを出すこともできるそうです。乾燥させただけの葉をそのまま味わう貴重な体験もできました。

■ 土曜日の朝は少しだけ、自分のための時間を。

ブレンドハーブティを試飲した後は、自分のオリジナルハーブティを調合します。テーブルに用意されたベースとなる3種類のハーブと、組み合わせ用の14種類のハーブたちを、自分の好みでブレンドしていきます。飲み合わせでケンカするものはこの中にないそう。

自分の症状にあったハーブティを調合するために、用意されたカルテのような質問表に、一週間の自分の症状がどうだったかを振り返り、記入していきます。「普段」のことを聞かれるより「一週間」と限定して考えることで、自分の一週間の生活を振り返ることができました。
体調を崩したり、ちょっとハードワークだった一週間には、該当する項目が多くなるもの。カルテをもとに、小林さんがさらに具体的にハーブをセレクトしてくださいます。
ハーブをそれぞれスプーン1杯、2杯など、教えてもらった配合で組み合わせ、ブレンドしていきます。小林さんは頭の中で配合した味が把握できるのだとか。

ハーブも、色鮮やか。たとえば、「粘膜に良いハーブや血の巡りを良くするハーブ」と聞いて漢方のような茶色の地味なお茶を想像していたところ、青い花が入ったきれいなハーブティが出来上がって、思わず気分があがります。

ハーブを入れるほどきれいになるお茶に心もワクワクし、自分でも気軽に始められそうに感じました。皆それぞれ、一週間頑張った!と労うのにぴったりなお茶が仕上がりました。

出来上がりのお茶は、イタリア語で土曜日を意味する“Sabato”と名付けられたカップで。真横からみると台形にみえるカップと、その底辺をしっかり包み込むソーサー。華奢なカップを使う時独特の緊張感はなく、手の馴染みがいい陶器は波佐見焼ならでは。自分らしくいられる休日にぴったりな器かもしれません。

お茶を飲みながら、ハーブについての質問の質問タイム。冷たく飲むときは、温かいものをそのまま冷蔵庫で冷ます方法と、茶葉を少し多めに入れて濃いお茶を作った後に氷に入ったグラスに注ぐ方法がある、など、具体的に教えてくださいました。ほかにも、「飲み続ける期間は?」など他にもたくさんの質問がでました。ちなみに飲み続ける期間はまず3か月が目安とのこと。

あっと言う間の一時間半。ワークショップが終了してもまだ午前中という充実感。
あえて遅く起きて何もしない午前中をすごすことも良いですが、ちょっと早く起きて、平日を振り返りながら普段とは違うことをする充実感もまた、幸せな気持ちになります。

私たちの身体は見た目には分からなくても日々変化しています。一週間の中にもリズムがあり、体調も味覚も変わっていくもの。土曜日の朝にゆっくり入れるお茶と、好きな器で飲む時間は、せわしなく過ぎていった一週間の自分を労いながら、身体を満たしていくものだと、あらためて感じました。

次回のおいしい教室も、どうぞお楽しみに。


講師:小林 邦子さま
(エルボリカ ブレンドハーブティーメーカー エルボリスト)

ハーブ専門店にてエルボリストとしての経験を積む。2013年 妊娠を機に退社。専門店勤務時に接したお客様の体調改善のご意見に加えて、自身が実感した経験から、ハーブティーの持つ心と体への効能に魅了される。現在は5歳の子の育児と両立し、人それぞれに合ったブレンドハーブティーを提供するブランド「ELVORIKA」を立ち上げ、各地でワークショップを開催している。
http://elvorika.com


使う器【Sabato】について

平日の終わりで、休日の入り口である土曜日のようなリラックスした時間を、Sabatoとともに過ごしてほしい。そんな思いを込めてつくられました。南スイスを拠点に活動するアーティスト、アオイ・フーバーが描くイラストを、デザインスタジオのドリルデザインが使う人の手にやさしく馴染む形に仕上げました。製造には日常の器を作りつづけてきた波佐見焼の知識と技術を活かし、食卓に彩りを添える使い勝手の良い食器に仕上げています。
http://www.sabatotableware.com/


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