2016/9/7(Wed)、8(Thu)@東京・中目黒

身体を癒す秋のスープ

まだまだ暑さの厳しい日が残りながらも、次第に心身ともに落ち着いて、少しずつ訪れる秋を感じていきたい9月中旬、久しぶりに夜のおいしい教室を開催しました。今回は、「身体を癒す」をテーマに、平日の仕事帰りに冷蔵庫にある食材を上手に使いながら無理なく作れる料理を、一汁一菜を基本に作っていきました。

日本には、豊かな四季と四季折々の旬の食材があります。季節の移ろいを感じながら生活してきた日本人ならではの感性が、「出汁」や「旨味」などの食文化を育んだのかもしれません。 丁寧に引いた出汁の香りをゆっくりとお楽しみいただいたのち、身体に染み渡る味わいを感じると、心の中まですっと澄み渡るような気持ちになります。 また、出汁は複数を掛け合わせることによってそれぞれの相乗効果でおいしさに深みが加わるもの。

「真鯛とポルチーニの秋澄まし」は、昆布、鰹節、ポルチーニの三種の出汁の掛け合わせで透き通る出汁に味の奥行きを加えています。

「出汁」や「旨味」の力を生かす、雑炊・お粥

夏の間、麦茶入れとして活躍したポット。涼しくなったら出汁をとるのに使ってみてはいかがでしょう。朝、出かける前に水と一緒にホタテの貝柱や干し椎茸、昆布を入れて冷蔵庫にいれておけば、帰宅する頃には出汁の完成です。 手間をかけずとも、十分においしい出汁は作れるのです。ポイントは「旨味を重ねる」こと。今回は3種類の乾物をあわせて味に奥行きを出します。

きのこなど、冷蔵庫にある食材を加えて煮込んでいきます。簡単に出来る肉団子は、味付けにナンプラーやおろししょうが、にんにく、白胡椒を加えて作ると風味がましておすすめです。

玉子は混ぜ方、加熱の仕方で決まります

黄身がトロッととろける煮玉子や、ふんわりととじられたカツ丼など、玉子を思いのままに調理できたら、と思ったことはありませんか?

トマトと玉子の油炒めを作りながら、玉子のおいしい扱い方をご紹介しました。卵黄は60度くらいで固まりはじめ、卵白はもっと高い温度、だいたいで75度で固まります。この差をうまく活用し、沸騰してから短時間で仕上げるのが煮玉子、卵黄だけが固まる低い温度でゆっくりと加熱したのが温泉玉子です。

溶き玉子をふんわりと仕上げるには、完全に溶ききらずに固まるところと固まらないところを作っていきます。トマトは脂溶性なので、生で食べるよりも油を使って加熱すると栄養素を吸収しやすくなります。

豆腐にもひと手間。塩麴をからませて一晩寝かせると、麹の酵素のはたらきでもっちりとしたチーズのような食感になります。

そこに蒟蒻やにんじんなど冷蔵庫にある食材を加えて、うすくち醤油やねりごまで味付けをすれば白和えの完成です。

おかゆは生米から炊くのではなく冷凍ご飯を解凍して使います。時間をストックするのも、無理なく料理を続けるコツです。

料理のコツをお話しながら、あっという間に一汁二菜の完成です。

温かい料理を身体に取り入れて、夏の間に冷たいものや刺激の強い辛いものをたくさん食べて疲れた胃腸を癒していきましょう。

次回のおいしい教室も、お楽しみに。

Photo by Mutsuya Ishiguro


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