2016/5/28(Sat)@東京・中目黒

旅とスープ Vol.02 ~幸せな国ブータンの、おいしい食卓~


「おいしい教室 旅とスープ」の第二弾としてピックアップしたのは、インドや中国に国境を接した国、ブータン。馴染みはあまりなくても「世界一幸せな国」として聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回のおいしい教室では、写真家の関健作さんと一緒にブータンの魅力をひも解きながら、「世界一幸せな国」と呼ばれる国、ブータンの食卓をご紹介しました。

旅から生まれるスープ

Soup Stock Tokyo の商品が生まれる場面に欠かせないのが、旅。旅先で出会った料理や、その土地の人々の暮らしにアイディアを得て商品になったスープが数多く存在します。

例えば、【但馬(たじま)牛すじ肉とわかめのスープ】

誕生日やお祝い事にわかめスープを食べる韓国の文化を、カップの中に再現しました。

一方で世界は広く、まだまだ知らない世界各国の食文化が数多く存在します。そんな中、わたしたちがふと気になったのが、ブータンという国です。

「幸せな国」ブータンを知る

ブータンは、インドと中国という大国に挟まれた、人口は約75万人、大きさは九州ほどの国です。ブータンと聞いて、「幸せな国」という言葉をイメージする方も多いのではないでしょうか。ブータンは、GDP(国民総生産)ではなく、GNH(国民総幸福量)という独自のものさしで国を統治している、世界の中でもユニークな国です。温厚で優しい笑顔が印象的なブータンの人たちと、その食文化をとある機会に知った私たちは、あっという間にブータンに魅了されていきました。

今回、おいしい教室をご一緒してくださった関さんも、ある時ブータンの子供たちの笑顔の写真に出会ったのがきっかけで、青年海外協力隊として3年間ブータンに赴任されました。その中で感じたのはブータン人の「幸せ」の測り方。ブータンの人々の幸せの捉え方は、多くを求めるのではなく「欲望を下げる」ことです。欲望を下げることにより、今生きていること、周りの家族が元気でいること、日々働けることなど、身の回りのちいさな出来事に幸せを感じ、その積み重ねが、「幸福度」を上げていく、とお話されていました。

メディアの報道では「世界一幸せな国」と呼ばれることも多いブータン。しかしながら、近代化が進んで暮らしが多様化することで、貧富や価値観に差が生まれ、以前のように簡単には「幸せ」を測りづらくなった、とも仰っていました。

世界一辛い料理

ブータンにまつわる「世界一」は、幸せだけではありません。「ブータン料理は世界一辛い」と言われ、唐辛子をふんだんに使った料理が日々食卓に並びます。

代表的な料理“エマダツィ”も、唐辛子とチーズを混ぜたもの。肉や魚など、どんな料理にも唐辛子が使われ、まさにじゃがいもやにんじんのような野菜感覚で食されています。
今回のおいしい教室では、日本在住のブータン人、ツェワンさんにもお越しいただき、実際にブータンの食卓に並ぶエマダツィを作っていただきました。

ツェワンさんのエマダツィのほかに、フードプランナー桑折敦子がアレンジした“ケワダツィ”(じゃがいものチーズ煮込み)や“ホゲ”(きゅうり、山椒、コリアンダーなどを使った野菜サラダ)、“ジャシャマル”(鶏肉、トマト、唐辛子の炒め煮)をご用意しました。

ちなみに、「食卓」といっても、ブータンには私たちがイメージする、テーブルやイスの「食卓」はありません。家族みなで車座になり、中心に置かれたごはんとおかずをそれぞれ取って食べるのが、ブータンの食事スタイル。辛いおかずが多いので、ご飯(米)の量が自然と多くなるのもブータンの食事の特徴です。

ブータンの伝統的な揚げ菓子「カプセ」もツェワンさん直伝で教わり、甘いお茶と共にブータン式のティータイムとなりました。

Soup Stock Tokyoのスープが生まれる瞬間

今回、「なぜSoup Stock Tokyoがブータン?」と思われた方もいらっしゃったことでしょう。
私たちがお伝えしたかったのは、「幸せな国」と呼ばれる国とそこに暮らす人々や食文化に、まずはただただ純粋な興味を持ったこと。そしてその国を知っていく過程で「Soup Stock Tokyoでスープを作ったらどうなる?」とアイディアが膨らんでいったこと。それはまさにSoup Stock Tokyoの商品開発と同じなのだ、ということです。

Soup Stock Tokyoのスープは、見知らぬ土地に旅に出る前と同じように、わくわくを感じる瞬間に生まれています。

次はどんな国や人、そして「おいしい」に出会えるのでしょうか。「おいしい教室 旅とスープ」を、次回もどうぞお楽しみに。


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