2021年の春、いちごを求めて千葉県に向かったバイヤー松尾琴美は千葉の食材にまつわる色々なお話の中で、「千葉県は梨の一大産地でもあるが、市場流通させることが出来ずに破棄しているものがたくさんあって困っている」という話を耳にしました。「何か開発のヒントになるかもしれない――」という想いから、時期が来たらぜひ梨農家さんにお伺いさせて頂きたいとお願いし、この夏、千葉県市川市にある梨農家さんを訪れました。

現地にお伺いしそこで初めて知ったのが、千葉県市川市内で生産される約5,000tの梨のうち、約1割が規格外品として市場には出回らず、破棄されているということ。
しかし、そんな規格外品の梨を食べてみると味への影響はほぼなく、中身はおいしい梨そのもの。この立派な梨を廃棄するのはもったいないという想いから、スープやカレーに使えないかと料理人と試行錯誤し、この秋の新商品として「梨のラッサム」が生まれました。

スーパーなどで見かける梨から、スープに使おうという発想はなかなか生まれなかったかもしれませんが、”もったいない食材”としての梨との出会いがあったからこそ「梨のラッサム」は生まれたと思うと、”もったいない食材”には新たなクリエイションのヒントが詰まっているのかもしれません。