産地だより

さんまのふるさと、宮城県女川町。

宮城県女川町の名産・さんまが主役の「女川(おながわ)産さんまのつみれスープ」。女川町の郷土料理であるさんまのすり身で作る”女川汁”にならって開発されたスープです。販売開始から10年、「秋の定番」となったこのスープには、さまざまな思いが重なり、繋がり、届けられています。


女川町は、宮城県東端の小さな港町。目の前には世界の三大漁場といわれる三陸の海が広がり、豊かな恵みと共に人々の生活があります。特にさんまは、全国でトップクラスの水揚げ量だけでなく、良質なものを見極める目利きが多いことで知られ、「女川さんまは一味違う」とプロの間でも一目置かれています。

2021年、女川港での今年のさんまの初水揚げは、9月27日。スープストックトーキョーのスープで使うさんまのすり身は、今年水揚げされたこのさんまを、海に隣接する工場で加工するところから調理が始まります。スープストックトーキョーが販売当初からすり身の加工をお願いしているのは、さんまをはじめとした鮮魚加工を得意とするワイケイ水産さんです。10年前の震災で被災した直後、さんまのすり身を団子にしてお湯に落としただけの簡単な汁を、みんなで分け合ったそうです。その光景をみた先代の社長が、ワイケイ水産の再出発を心に決め、今もなお、この地域で鮮魚加工を続けています。

復興に向けて取り組んでいる方の商品を買い支えたいという想いから始まった女川産さんまのつみれスープの販売。気が付くと10年、食を取り巻く環境はすっかり変貌し、さんまは今や高嶺の花のような存在になってしまいました。しかし私たちは、女川に揚がる旬のさんまを全国に届けようとあの手この手を尽くしてくださる女川町の皆さんの気概に支えられ、毎年「女川産さんまのつみれスープ」を販売し続けることができました。刻一刻と変わるさんまの水揚げの状況に合わせて、さんまを加工し出荷をすることがどれだけ大変なことか。10年もの間、支えてもらって来たのは私たちだったのかもしれません。

女川湾口を抱き、海に向かって開かれたまち、宮城県女川町。女川町の中心にあるJR石巻線女川駅からまっすぐ海へと向かうレンガみちの向こうには、今日も海から初日の出が昇ります。駅舎の背後にある山と初日の出が昇る地点を結ぶ方向に設計されているのです。海を眺めて、海と共に生きる。海は女川町の生活そのもの。さんま漁だけではなく、まちづくり全体に女川町の強い気持ちが溢れています。そしてこのまちに水揚げされるさんまは「女川の宝物」、町がずっと大切にしてきたものです。強い気持ちの女川町から届くさんまは、スープストックトーキョーにとっても大切な宝物です。


今年で11回目の販売となる「女川産さんまのつみれスープ」。この秋水揚げされた旬の女川産さんまでお届けいたします。スープの味の感想、そして未来へ向かって進む女川町へのメッセージをぜひお寄せください。

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《商品概要》


全国有数の水揚げを誇る宮城県女川町の名産・さんまのすり身で作ったつみれを、飛魚(あご)だしとさんま魚醤を使い、和風スープに仕上げました。具材には食感の良いなめこ、香ばしい焼き葱、そして女川町のさんますり身汁の作り方にならって豆腐を入れました。トッピングの柚子が香るとろろがアクセントになっています。

●商品名:「女川産さんまのつみれスープ」
●販売店舗:Soup Stock Tokyo外食店舗全店(中目黒店、ルミネ北千住店を除く)
●販売期間:2021年11月15日(月)より数量限定で販売

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スープストックトーキョーのスープは、数多くの生産者とのパートナーシップによって成り立っています。女川のおいしいさんまも、刻一刻と変わる自然環境と真摯に向き合いながら、「おいしいから、全国に届けたい」、そう思い海とまちとを守り続ける方々がいるからこそ、私たちのもとに届くのです。スープストックトーキョーでは、このスープ1杯につき20円を「おながわ四季のまつり実行委員会」への寄付金や、適正な価格でさんまを買い続けるために使わせていただき、これまでもたくさんのお客さまに心を寄せていただいてきました。女川町の皆さんと思いを通わせながら、さんまを愛する町の心がぎゅっと詰まった一杯に、私たちも想いをのせて、今年も全国へお届けします。女川町から届いた秋の恵みを、どうぞお召し上がりください。

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